Chase StoneのOGWでの仕事
Chase StoneのOGWでの仕事
Chase StoneのOGWでの仕事
 エルドラージや欠色のカードのテキスト部分はうっすら透けているため、通常の倍の仕事量になるアーティストにとっては重労働。自作を公開している方の作品を見る限り、下半分は緻密に描き込まず不自然にならない程度の完成度で済ませる場合が多いようです(おそらくWotCからも下半分は大まかでOK、みたいな指示が出ているものと思われます)。

 それはそれで「プロ級の手抜き」が見られる貴重な機会だったり、制作過程を見るような感じだったりして楽しいのですが、Chase Stoneはそんな隠れて見えない部分も流石のこだわりで書き抜いています(きっと楽できない性格なんだろうなあ……)。彼のTumblrをチェックしたところ、各作品にコメントがついていたので稚拙ながらも訳してみました。

重力に逆らうもの/Gravity Negator

重力に逆らうもの/Gravity Negator

 これはゲートウォッチの誓いと戦乱のゼンディカーで私が描いた全エルドラージの中でも特に気に入っているものかもしれない。私はこれらのほとんどのイラストレーションである種の率直さ(見るものがこの危険な野生の生物に偶然出くわして、それがしている何かに気づいたような)を感じさせるようにした。そのアイデアという点ではこれは最も成功していると私は思う。

アートディレクター:Jeremy Jarvis

 磁性流体のようになった半透明の川の水、水面の反射と映り込み、屈折して見える川底の面晶体……と大変な要素のオンパレードにもかかわらず、いずれも苦もなく仕上げているのは見事。しかしカードではテキスト欄の面晶体はほぼ完全に見えなくなっており、かわいそうなのか何なのか……。エルドラージに引き寄せられている水も、印刷されると網点数個にしかならないはずの部分をノリノリで描いたことが伝わってきて、何というか、アーティストの人柄が伝わってきます。

次元潜入者/Dimensional Infiltrator

次元潜入者/Dimensional Infiltrator

 コジレックの血族が周囲にもたらす様々なエフェクトは描くのがとても楽しい、特にこいつのような。

アートディレクター:Dawn Murin

 背景は3Dモデルを使えと言わんばかりの設定ですが、描きぶりから人力なのは明白。アートディレクターも狙って人選したとしか思えません。何気にエルドラージのデザインが独特なのも素晴らしい。

本質を蝕むもの/Essence Depleter

本質を蝕むもの/Essence Depleter

 再び焦点距離と遠近法を保って率直な感覚が伝わるように試みた。通り過ぎるエルドラージの視線をとらえた生存者の両目を通して私たちがこれを見ているかのように感じてほしい。

アートディレクター:Dawn Murin

 上半分だけでも決まった構図にするのは大変なのに、下半分と合わせてもばっちり成立するだまし絵のような構図。手前の要素が目を引きすぎないよう、ぼかしを入れてエルドラージに視線誘導しつつ臨場感を出す気遣いも(当然カードでは見えません)。エルドラージの一瞥を表現したかったと言っておきながら、あえて目を描かない(コジレックの血族なのでその気になれば描き放題)というストイックさにも頭が下がります。

ソース
http://chasestoneart.com/post/136958272239/gravity-negator-this-might-be-my-favorite-of-all#notes
http://chasestoneart.com/post/136958762039/dimensional-infiltrator-the-various-effects#notes
http://chasestoneart.com/post/137058263339/essence-depleter-again-trying-to-keep-the-focal#notes

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